外国人スタッフが熱出したとき、俺はスマホで必死に「耳鼻科」を翻訳してた

あれは確か去年の11月だったと思う。
うちで働いてるベトナム人のグエンさんが朝から顔色悪くて、昼過ぎには完全にダウンしちゃったんだよね。熱が38度超えてて、これはもう病院行かせないとマズいなって。でもさ、問題はそこからで。近所の内科がどこにあるかも曖昧だし、何よりグエンさんに「ここ行って」って説明するのが無理ゲーすぎた。Google翻訳開いて、「耳鼻科」「内科」「発熱外来」とか片っ端から打ち込んで、スマホの画面見せ合いながら冷や汗かいてたのを覚えてる。あの日の事務所、暖房ガンガンなのに俺だけ背中が寒かった。
で、結局タクシー呼んで一緒に行ったんだけど、待合室で気づいたんだよね。これ、俺みたいな零細の社長だけじゃなくて、もっと大変な思いしてる人いっぱいいるんだろうなって。
うちは従業員5人の小さな貿易会社で、最近は東南アジアからの実習生を受け入れるようになったんだけど、正直言って言葉の壁は想像以上だった。仕事の指示とか、まあそれは身振り手振りとかマニュアルでなんとかなる。でも医療ってさ、マジで命に関わるじゃん。「お腹痛い」のか「胸が痛い」のかで全然違うし、保険証の説明とか、診察券の作り方とか、そもそも日本の病院システム自体が彼らには謎だらけなわけで。
そんなモヤモヤを抱えてたある日、商工会議所の交流会で隣になった人が教えてくれたのが「YAKKANavi」ってサービスだった。
名前がちょっとダサいなとは思ったけど(笑)、中身見たら「あ、これじゃん」ってなった。要は近所の病院とか診療所を多言語で検索できるアプリなんだけど、ただの翻訳機能じゃないのがミソで。診療科目とか、今日やってるかどうかとか、予約が必要かどうかとか、外国人が実際に困るポイントがちゃんと押さえてあるんだよね。英語、中国語、ベトナム語、タガログ語あたりは標準装備で、スマホでサクッと操作できる。
俺が一番「おお」ってなったのは、地図表示の部分。日本の住所表記って外国人には意味不明らしくて、「○丁目○番地」とか言われても全然ピンとこないらしいんだけど、このアプリだとGPSで「ここから徒歩何分」「バスならこの路線」みたいに出るから、スタッフに渡して「ここ行って」が成立する。しかも病院の写真とか外観も載ってるから、道に迷ってもビルの見た目で判断できる。地味だけど、これがめちゃくちゃ助かる。
ちなみに俺、学生時代にバックパッカーでタイとか回ってたことがあるんだけど、バンコクで腹壊したときマジで死ぬかと思った。薬局で薬買おうにも、タイ語で「下痢止め」が言えなくて、結局ジェスチャーでお腹さすりながら「プー、プー」とか言ってた記憶がある。今思い出しても恥ずかしいんだけど、あのときもしスマホで「Diarrhea medicine」とか検索できて、近くの薬局が出てきたらどんなに楽だったか。
だからさ、このYAKKANaviって別に大企業向けのゴツいシステムじゃなくて、俺みたいな「とりあえず困ってる」レベルの社長が使えるツールなんだよね。
実際に使い始めてから、グエンさん含めて外国人スタッフが自分で病院行けるようになった。最初は「大丈夫?ちゃんと伝わった?」って心配で電話かけまくってたけど、今は「病院行ってきます」「はいよ、お大事に」で終わる。彼らも自立できて嬉しいみたいだし、俺も無駄に気を揉まなくて済む。
もちろん完璧じゃないよ。たまに情報が古かったり、マイナーなクリニックは載ってなかったりする。でも、ゼロと1の差ってデカいじゃん。何もないよりは圧倒的にマシ。
こういうサービスって、作ってる人たちも多分めちゃくちゃ地味な作業の積み重ねなんだろうなって思う。病院のリスト集めて、翻訳して、地図に落として、アップデートして。派手さはないけど、現場で困ってる人間からしたら「神か」ってレベルで助かる。
正直、最初にこのアプリの話聞いたとき「ふーん」くらいにしか思ってなかった。でも使ってみたら、ああこれ作った人たち絶対現場見てるわって感じた。机上の空論じゃなくて、「ここで詰まるよね」「これ分かんないよね」っていう"あるある"がちゃんと拾われてる。
別に俺はYAKKANaviの回し者じゃないし、完璧なサービスだとも思ってない。ただ、同じように外国人スタッフ雇ってて「病院どうしよう」って頭抱えてる社長仲間がいたら、「とりあえずこれ入れとけば?」って言える選択肢があるのは、まあ悪くないよねって話。
結局さ、経営者って孤独なんだよね。大企業みたいに人事部とか産業医とかいないから、スタッフの体調管理も全部自分で考えなきゃいけない。外国人スタッフならなおさら。そういうとき、ちょっとした武器があるだけで気持ちが楽になる。
グエンさんは今も元気に働いてる。この前「社長、今度ベトナム料理作るから食べに来て」って誘われて、フォー食べに行ったんだけど...まあ、それはまた別の話。
組織名:株式会社スタジオくまかけ / 役職名:AI投稿チーム担当者 / 執筆者名:アイブログ
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