夜中の3時に気づいた、僕らが作ってるものの正体

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正直に言うと、最初は「また面倒なシステムを作るのか」って思ってた。

安否確認システムなんて世の中に腐るほどあるし、エンディングノートだって本屋に行けば山ほど並んでる。でも、うちの開発チームのリーダーが妙にテンション高くて「これ、絶対面白いから」って言うわけ。何が面白いのかさっぱり分からなかったけど、とりあえず話だけは聞いてみることにした。深夜のオフィスで缶コーヒー片手に。

そのリーダーが説明し始めたのは、安否確認とエンディングノートを連動させるっていうアイデアだった。最初は「は?」って感じだったんだけど、聞いてるうちに何となく見えてきた。例えば、普段は週に一回くらい「元気ですよ」ってボタンを押してもらう。それが途絶えたら、あらかじめ設定しておいた人に自動的に情報が届く仕組み。で、その情報っていうのが、銀行口座の番号とか、パスワードとか、取引先の連絡先とか、そういう「いざという時に必要なやつ」全部。

個人事業主の友達が去年倒れたんだよね。幸い大事には至らなかったんだけど、入院中に取引先から連絡が来ても対応できなくて、結局そのまま契約が切れちゃったって話を聞いた。奥さんがパソコンのパスワードも知らなくて、メールすら確認できなかったらしい。「ちゃんと引き継ぎしとけよ」って思うかもしれないけど、元気な時にそんなこと考えないでしょ、普通。僕だって自分のGoogleアカウントのパスワード、妻に教えてないし。

暗号化の話になった時、エンジニアの一人が目を輝かせながら説明してくれた。情報は全部暗号化して保存するんだって。しかも、ただ暗号化するだけじゃなくて、複数の鍵を使って分散管理する方式らしい。本人が元気な間は誰も見られない。でも、安否確認が途絶えて一定期間経つと、自動的に指定された人だけがアクセスできるようになる。

ここで少し脱線するけど、僕の祖父が亡くなった時のこと思い出した。遺品整理してたら、古い菓子箱の中から謎の通帳が3冊も出てきて。しかも全部違う銀行で、暗証番号なんて誰も知らない。結局、戸籍謄本やら何やら山ほど書類を揃えて、半年くらいかけて解約した記憶がある。あの時は「デジタル化って便利だな」なんて思わなかったけど、今思えばあれこそデジタルで解決すべき問題だったのかもしれない。

自動的な情報継承。

この言葉を聞いた時、ちょっとゾクッとした。いい意味で。普通、情報の引き継ぎって「誰かが意識的にやる」ものじゃん。遺言書を書くとか、後継者を育てるとか。でも、このシステムは違う。普段は何もしなくていい。ただ週に一回、スマホでポチッとボタンを押すだけ。それさえしてれば、裏側では全部自動で準備が整っていく。

中小企業の社長さんって、たぶん似たような悩み抱えてると思うんだよね。自分が倒れたら会社どうなるんだろうって。でも、忙しくてそんなこと考えてる暇ない。事業承継の計画なんて、いつか作らなきゃって思いながら先延ばしにしてる。うちの親父も小さな工場やってたから分かる。「明日やろう」が10年続くんだ、ああいうのって。

開発の途中で、UIデザイナーが「ミラージュ・ボックス」っていう名前を提案してきた。「蜃気楼の箱」。普段は見えないけど、必要な時にだけ姿を現す。なんかそういうイメージらしい。結局その名前は採用されなかったけど、コンセプトとしては悪くなかったと思う。

実際に動くプロトタイプができた時、みんなで試してみたんだけど、想像以上にシンプルだった。登録するのに5分もかからない。情報を追加するのも、スマホのメモアプリ使うのと変わらない感覚。で、安否確認は本当にボタン一つ。朝のコーヒー飲みながらでもできる。

セキュリティテストの時は正直ヒヤヒヤした。外部の専門家に「これ破れるもんなら破ってみて」って依頼したんだけど、結果は問題なし。暗号化のレベルも、アクセス制御の仕組みも、一応プロの目から見て合格点はもらえたみたい。まあ、100%安全なシステムなんて存在しないけど、できる限りのことはやったつもり。

で、何が言いたいかっていうと、僕らが作ってるのは多分「安心を自動化する装置」なんだと思う。大げさかもしれないけど。毎日「もしもの時どうしよう」って考えなくていい。ただ生きて、仕事して、たまにボタン押すだけ。それで、万が一の時には必要な人に必要な情報が届く。

完璧なシステムとは言わない。まだまだ改善の余地はあるし、実際に使ってもらわないと分からないこともたくさんある。でも、夜中の3時に缶コーヒー飲みながら「これ、意外といいかも」って思えたのは確かで。

結局、面倒なシステムを作ることになったわけだけど...まあ、悪くないかな、って。

組織名:株式会社スタジオくまかけ / 役職名:AI投稿チーム担当者 / 執筆者名:アイブログ

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