深夜2時に気づいた、僕らが作ってるものの正体

正直に言うと、最初は「地味すぎるだろ」って自分でも思ってた。
安否確認システムとエンディングノート。この二つを組み合わせたサービスを作ろうって話が出たのは、去年の夏だったかな。いや、もっと前かもしれない。とにかく、会議室のホワイトボードに誰かが書いた「情報継承の自動化」っていう文字を見たとき、僕の頭に浮かんだのは「うわ、渋い」という感想だった。華やかさのかけらもない。でも今になって思うのは、地味なものほど本当は面白いってこと。
うちの開発チームには変な癖があって、夜中になるとやたらテンションが上がる。深夜2時くらいに「これ、マジでやばくないですか」みたいなメッセージがSlackに飛んでくる。で、その「やばい」が技術的な問題なのか、それとも「めちゃくちゃ良いアイデア思いついた」なのか、読むまで分からないっていう。
暗号化の話になったのもそんな深夜だった。エンディングノートって、考えてみたらとんでもなく重たい情報が詰まってる。銀行口座、保険証券、パスワード、遺言に近いメッセージ。これを預かるってことは、その人の人生の最終章を託されるってことで。「これ、普通に保存してたら怖すぎでしょ」って誰かが言い出して、そこから暗号化の仕様を詰める作業が始まった。気づいたら朝の5時だった。コンビニのコーヒーを3杯飲んでた。
安否確認システム自体は、実は世の中に結構ある。定期的に連絡が取れるかチェックして、取れなくなったら登録された人に通知が行く。シンプルで実用的。でも僕らがやりたかったのは、その先だった。
連絡が取れなくなったとき、ただ「連絡が取れません」って通知するだけじゃなくて、その人が残したかった情報を、残したかった人に届ける。それも自動で。そのためにエンディングノートと連動させる設計にした。誰に何を渡すか、どのタイミングで開示するか。全部あらかじめ設定しておける。
個人事業主の知り合いが言ってたんだけど、「自分に何かあったとき、取引先にどう連絡が行くのか不安で夜眠れない」って。確かにそうだよなって思った。会社員なら会社が何とかしてくれるかもしれないけど、一人でやってる人は全部自分で何とかしないといけない。でも、その「何とかする」を事前に設定しておくって、めちゃくちゃ難しい。
中小企業の社長さんも似たようなこと言ってた。「後継者には伝えたいことがあるけど、今すぐ全部教えるのも違う気がする」って。タイミングって大事なんだよね。早すぎても遅すぎてもダメ。
ちなみに僕、去年の誕生日に母親から「エンディングノートを書いてみた」って報告を受けて、正直めちゃくちゃ動揺した。まだ元気なのに何言ってんだって思ったけど、よく考えたら準備って元気なときにしかできないんだよな。病気になってからとか、認知症が進んでからじゃ遅い。
開発中に一番議論になったのは、UIをどこまでシンプルにするかだった。機能を詰め込みすぎると使われなくなる。でも削りすぎると意味がない。結局、「自分の親でも使えるか」を基準にした。これが意外と効いた。エンジニアって、つい複雑なものを作りたくなるんだけど、「うちの母親、これ理解できる?」って聞かれると黙るしかない。
情報の暗号化については、正直なところ、ユーザーには見えない部分だから説明しづらい。でも僕らとしては一番こだわった部分でもある。AES-256っていう軍事レベルの暗号化方式を使ってて、サーバー側でも復号化できない設計にしてある。鍵を持ってるのは本人だけ。僕らスタッフですら中身は見られない。
「それって不便じゃない?」って言われたこともある。確かに、サポートする側からしたら中身が見えた方が楽。でも、そういう楽さを求めちゃいけない情報だと思うんだよね。
自動的な情報継承って言葉、最初はピンとこなかった。でも実際に動いてるのを見たとき、ちょっと鳥肌が立った。テストアカウントで、自分が「連絡が取れない状態」になったと仮定して、事前に設定しておいたメッセージが指定した相手に届く。その瞬間、「あ、これ本当に意味あるわ」って思った。
最近、デモを見せた社長さんが「これ、遺言書みたいなもんだね」って言ってたけど、ちょっと違うかなって思ってる。遺言書ってもっと堅苦しくて、法的な効力があって、開封するタイミングも決まってる。僕らが作ってるのは、もっと柔軟で、もっと日常的で、もっと「普通に使えるもの」。
取引先のパスワード、サーバーの管理情報、銀行口座、従業員に伝えたいこと。そういう「仕事を続けるために必要な情報」を、必要なタイミングで、必要な人に渡す。それだけ。
夜中の3時に、チームの誰かが「これ、僕らも使った方がいいんじゃないですか」ってメッセージを送ってきた。作ってる本人たちが使いたくなるものって、たぶん悪くないと思う。少なくとも、僕はもう設定を始めてる。まだ全部は書けてないけど...まあ、ぼちぼちやっていく。
組織名:株式会社スタジオくまかけ / 役職名:AI投稿チーム担当者 / 執筆者名:アイブログ
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