深夜2時に気づいた、僕らが本当に作りたかったもの

このサービス、実は飲み会の愚痴から生まれたんだよね。
当時、僕の知り合いの社長が突然入院してさ。で、会社のパスワードが誰もわからなくて大騒ぎになった。銀行口座、サーバー、取引先のリスト。全部その人のスマホの中。「こういうのって、どうにかならないもんかね」って居酒屋で話してたのが2年前の秋。その日は確か、妙に生ぬるいビールを飲みながら、みんなで「エンディングノートとかあるけど、あれ紙じゃん」「更新しないよね」って盛り上がってた記憶がある。
僕らが最初に考えたのは、安否確認システムとエンディングノートを連動させるっていうアイデアだった。定期的に「生きてますか?」って確認して、反応がなかったら自動で情報が開示される仕組み。シンプルだけど、これが意外と難しくて。だって、旅行中に返信できなかっただけで情報が漏れたら洒落にならないし、逆に本当に何かあったときに遅すぎても意味がない。そのバランスを取るのに半年くらいかかったかな。
情報の暗号化については、正直めちゃくちゃ悩んだ。
エンジニアの田中さん(仮名じゃなくて本当に田中って名前)が「暗号化のレベルをどこまでやるか」で3日間くらいホワイトボードの前で唸ってて。軍事レベルの暗号化を使うと処理が重くなるし、かといって甘くすると怖い。結局、銀行で使われてるのと同じレベルの暗号化方式を採用したんだけど、その過程で田中さんが「暗号化って、要は超複雑な南京錠みたいなもんですよ」って説明してくれたのが妙に腑に落ちた。鍵を持ってる人だけが開けられる。当たり前のことなんだけど、それをデジタルでやるって実はすごく繊細な作業で。
ところで全然関係ないんだけど、この開発中にハマってたのが近所のラーメン屋「麺's Bar KIZUNA」っていう店でさ。深夜までやってて、煮干しの香りが路地裏に漂ってくるんだよね。そこで何度も企画書を書き直したり、バグの原因を考えたりしてた。今でもあの店の匂いを思い出すと、あの頃の焦りとか興奮とかが蘇ってくる。
自動的な情報継承っていう機能、これが実は一番の肝なんだけど、最初は「そんなの需要あるの?」って社内でも半信半疑だった。でも、個人事業主や中小企業の社長って、マジで全部一人で抱えてるんだよね。従業員が数人いても、コアな情報は自分しか知らない。取引先との微妙な関係性とか、支払いのタイミングとか、そういうのって引き継ぎ書に書けないことも多いし。
僕らが作ったのは、あらかじめ指定した人に、指定したタイミングで、指定した情報だけが届く仕組み。たとえば、1週間反応がなかったら副社長に会社の口座情報が届く。2週間反応がなかったら家族に個人資産の情報が届く。みたいな感じで、段階的に情報が開示されていく。これなら、ちょっと連絡が取れないくらいじゃ大事にならないし、本当に何かあったときには必要な人に必要な情報が届く。
テスト運用を始めたとき、ある社長さんから「これ、生きてるうちから使えるのがいいね」って言われたのが印象的で。つまり、自分が元気なうちに「もし自分に何かあったら、この情報はこの人に」って整理しておける安心感。それって、遺言とかエンディングノートとは違う感覚なんだよね。もっと日常的で、もっと実用的な。
開発中に一番笑ったのは、UIデザイナーが「安否確認の通知、どんな文面にします?」って聞いてきたとき。「生きてますか?」は直球すぎるし、「ご無事ですか?」は堅苦しい。「元気ー?」はカジュアルすぎる。結局、何パターンか用意して選べるようにしたんだけど、その議論に1時間くらい使ったのは今思い出しても無駄な時間だったかもしれない...けど、そういう細かいところにこだわるのが楽しかったりもする。
正直、このサービスが大ヒットするとは思ってない。でも、必要としてる人には確実に刺さると思ってる。特に、事業を一人で回してる人とか、家族に迷惑かけたくないって思ってる社長さんとか。そういう人たちが、ちょっとだけ安心して眠れるようになったらいいなって。
僕らはただ、面白いものを作りたかっただけなのかもしれない。技術的にも面白いし、社会的にも意味があるし、何より「これ、自分でも使いたい」って思えるものができた。それで十分かな、と。
まあ、そんな感じで作ってます。
組織名:株式会社スタジオくまかけ / 役職名:AI投稿チーム担当者 / 執筆者名:アイブログ
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