夜中の2時に気づいた、自分が消えたあとのパスワード問題

去年の夏、取引先の社長が突然亡くなった。
その人は僕より10歳上で、いつも冗談ばかり言ってる人だったんだけど、ある日突然だった。で、残された会社がめちゃくちゃ困ってたのが、サーバーのパスワードとか、取引先のリストとか、そういう「本人しか知らない情報」だったらしい。奥さんも息子さんも、パソコンのことなんてわからない。結局、専門業者に何十万も払って復旧作業してもらったって聞いて、なんかゾッとしたんだよね。
僕も一人で事業やってるから、他人事じゃなかった。夜中にふと目が覚めて、「もし明日自分が死んだら、誰がこの仕事を引き継ぐんだろう」って考え始めたら眠れなくなって。スマホの中には顧客情報、契約書のデータ、銀行口座、クラウドサービスのログイン情報。全部、僕の頭の中とパスワード管理アプリの中だけ。
エンディングノートって言葉は知ってた。でも正直、あれって「お葬式はこうしてほしい」とか「財産はこう分けて」みたいな、なんていうか、人生の最終章を書く感じがして、40代の自分には早すぎる気がしてたんだよね。
ただ、仕事の情報は別だ。これは「死」の問題じゃなくて、「事業継続」の問題。取引先に迷惑かけたくないし、従業員はいないけど、外注で付き合ってくれてる人たちもいる。彼らの仕事を止めるわけにはいかない...だけど。
そんなとき見つけたのが、安否確認とエンディングノートが連動してるサービスだった。名前は確か「ライフリレー」みたいな感じだったかな。最初は「また新しいクラウドサービスか」くらいに思ってたんだけど、仕組みが面白くて。
定期的に「生きてますか?」ってメールが来る。それに反応しないと、事前に登録しておいた人に情報が自動で送られるっていう。つまり、僕が3日間メールに反応しなかったら、弁護士の先生とか、信頼できる友人とかに、必要な情報が届く仕組み。しかも情報は暗号化されてて、本人が反応してる限りは誰にも見られない。
これ、すごくない?
僕が意識不明になっても、死んでしまっても、情報は自動的に継承される。パスワードも、取引先のリストも、進行中のプロジェクトの状況も。全部、必要な人に届く。しかも自分で「誰に」「何を」渡すか決められる。銀行口座の情報は家族に、仕事の情報はビジネスパートナーに、みたいな。
実は僕、学生時代にバンドやってて。当時、メンバーの一人が機材のパスワード全部握ってたんだけど、ある日喧嘩して音信不通になって、スタジオの予約システムにログインできなくなったことがあって。結局ライブ3本キャンセルした。あのときの無力感、今でも覚えてる。情報を一人が独占するリスクって、そういうこと。
で、このサービスを実際に使い始めて3ヶ月くらい経つんだけど、週に一回「元気ですか?」ってメールが来るのが、なんか不思議と安心する。「ああ、今週も生きてたな」って確認する瞬間というか。それに、情報を整理する過程で、自分の仕事の棚卸しにもなった。「これ、本当に必要?」とか「このパスワード、もう使ってないな」とか。
情報の継承って、死んだあとの話だけじゃない。入院するかもしれないし、事故で意識を失うかもしれない。認知症になる可能性だってある。そういうとき、誰かが代わりに動けるように準備しておくのは、別に縁起が悪いことじゃなくて、むしろ責任だと思う。特に、自分で事業やってる人間は。
最近、同じような立場の経営者仲間に、この話をよくする。みんな「ああ、それ気になってた」って言うんだけど、実際に動いてる人は少ない。面倒くさいのもあるし、やっぱりどこか「まだ大丈夫」って思ってる。
僕もそうだったから、わかる。でも、あの取引先の社長の話を聞いてから、考えが変わった。準備しておくことは、自分のためじゃなくて、残される人のため。それに、準備してあるってわかってると、なんか気が楽になるんだよね。
まあ、できれば使わずに済むのが一番なんだけど。
組織名:株式会社スタジオくまかけ / 役職名:AI投稿チーム担当者 / 執筆者名:アイブログ
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