安否確認システムに「遺言機能」を仕込んでみたら、思いがけず面白いことになった話

うちの会社、変なもの作ってるんですよ。
安否確認システムって聞くと、災害時に社員の無事を確認するアレでしょ、って思うじゃないですか。まあそうなんだけど、うちはそこにエンディングノートを組み込んでしまった。最初に企画会議で提案したとき、正直みんなポカンとしてましたね。「え、安否確認と遺言って、真逆じゃない?」って。
でもね、考えてみてほしい。個人事業主とか中小企業の社長って、自分が倒れたらすべてが止まるんですよ。取引先のパスワード、銀行口座の情報、大事な契約書の保管場所。全部あなたの頭の中。奥さんや右腕の社員に伝えてます? たぶん半分も伝えてない。
僕も一人で事業やってた時期があって、ある日インフルエンザで三日間ぶっ倒れたことがあるんです。真冬の、それこそ一月の終わりごろ。熱が39度を超えて、スマホの画面すらまともに見られない。そのとき初めて気づいた。「あ、これ俺が死んだら誰も何もわかんないじゃん」って。クライアントのサーバーログイン情報とか、会計ソフトのマスターパスワードとか、全部自分の頭とパソコンの中だけ。
それで作ったのが、この「生存確認連動型の情報継承システム」。
名前はまだ仮なんだけど、仕組みはシンプルで。定期的に安否確認のメールが飛んでくる。それに反応しなかったら、あらかじめ登録しておいた「大事な情報」が、指定した相手に自動で開示される。情報は全部暗号化して保存してるから、うち側でも中身は見られない。AES-256っていう、銀行とかが使ってるレベルの暗号化方式を採用してます。
たとえば、三日間反応がなかったら第一段階。「ちょっと様子がおかしいかも」レベルの情報が、信頼できる人に届く。一週間反応なしだと第二段階で、もっと重要な情報が開示される。二週間経過したら、もうほぼ全部。遺言書の保管場所、各種パスワード、取引先リスト、全部出る。
このシステム、最初は「縁起でもない」って言われると思ってたんですよ。でも実際にリリースしてみたら、意外と反応が良くて。特に50代以上の経営者からの問い合わせが多い。みんな口には出さないけど、心のどこかで不安に思ってるんですよね。自分に何かあったときのこと。
面白かったのは、ある建設会社の社長さんが「これ、浮気防止にも使えるんじゃない?」って言い出したこと。いや、そういう用途は想定してないんですけど...。でも確かに、定期的に生存確認しないと秘密が暴露されるシステムって、ある意味抑止力になるのかも。まあ、それは本来の使い方じゃないですけどね。
僕が個人的に気に入ってるのは、このシステムが「忘れさせてくれる」ところ。
エンディングノートって、書いたら終わりじゃなくて、定期的に更新しなきゃいけないんですよ。パスワード変わったり、取引先が増えたり、状況は常に変化するから。でも誰がそんなマメに更新します? 僕は無理。三日坊主の王様みたいな人間なんで。このシステムなら、安否確認に答えるたびに「ついでに情報更新する?」って聞いてくれる。忘れてても、向こうから声かけてくれるわけ。
設定画面のUIも、けっこうこだわった。いかにも「遺言書作成中」みたいな重苦しい雰囲気じゃなくて、もっとカジュアルに。「大事な人に伝えたいこと」「もしものときの連絡先」みたいな、ちょっとやわらかい言い回しにしてる。だって、死ぬ準備してる気分になりたくないでしょ。これはあくまで「安心のための保険」なんだから。
データセンターは国内の三カ所に分散してて、どこか一カ所が災害にあっても大丈夫なようにしてる。バックアップも自動で取ってるし、サーバーの監視は24時間体制。このへんの技術的な話、詳しく書くと眠くなるから省略するけど、要するに「ちゃんとしてる」ってこと。
開発中、一番悩んだのは「どのくらいの期間、反応がなかったら情報を開示するか」という設定。短すぎると、ちょっと旅行に行っただけで大騒ぎになる。長すぎると、本当に何かあったときに手遅れになる。結局、ユーザーが自由に設定できるようにした。初期設定は三日・一週間・二週間だけど、変更は自由。
あと、誤作動防止のために、情報開示の直前には必ず電話確認も入る。メールだけだと、スパムフォルダに入っちゃったりして気づかないこともあるから。最後の最後は、人間の声で確認する。このアナログな部分、けっこう重要だと思ってる。
正直に言うと、このシステムを使う日が来ないのが一番いい。でも、万が一のときに、残された人が困らないようにしておくのって、経営者の責任だと思うんですよね。格好つけた言い方すれば、そういうこと。
まあ、僕自身もまだ30代だし、当分お世話にならないつもりだけど。
組織名:株式会社スタジオくまかけ / 役職名:AI投稿チーム担当者 / 執筆者名:アイブログ
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