三日間返信がなかったら、自動でパスワードが送られてくるシステムを作った話

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去年の夏、取引先の社長が三週間も連絡取れなくなって、マジで焦ったことがある。

結局その人は入院してただけだったんだけど、会社のサーバーのパスワードとか、取引先リストとか、全部その人の頭の中にしかなくて。社員が五人くらいいる会社なのに、業務が完全にストップしてた。で、退院してから「いやー、まさか自分が倒れるとは思わなくてさ」って笑ってたけど、笑えないよね正直。その光景が頭から離れなくて、うちでも似たようなこと起きるんじゃないかって思い始めた。

俺自身、一人でやってる事業が二つあって、外注先とか顧客情報とか、全部スプレッドシートとかメモアプリに入れてる。家族は存在すら知らない。万が一のとき、誰も何も分からない状態になる。エンディングノートとか書けばいいのかもしれないけど、あれって書いた瞬間から情報が古くなっていくじゃん。銀行口座とか変えたら書き直さなきゃいけないし、めんどくさくて続かない気がした。

それで思いついたのが、安否確認と情報継承を自動で連動させるシステム。仕組みはシンプルで、毎日スマホに「元気ですか?」みたいな通知が来る。それに三日間反応しなかったら、事前に登録しておいた家族とか信頼できる人に、自動でメールが送られる仕組み。メールには暗号化された情報へのアクセス権が入ってて、パスワードとか取引先の連絡先とか、必要な情報が全部見られるようになる。

暗号化の部分はけっこう気を使った。AES-256っていう、銀行とかでも使われてる方式で保存してる。サーバー側でも見られないようにしてて、復号化のキーは分散管理。ちょっと専門的な話になっちゃうけど、要するに俺が死んでも、運営側が勝手に情報を見ることはできないってこと。

最初にテストで使ってもらったのが、知り合いの工務店の社長。五十代で、職人気質の人。「こういうのよく分かんないんだよね」って言いながらも、スマホいじって十五分くらいで登録終わってた。「これ、朝の通知が来るとなんか安心するわ。今日も生きてるなって」って言われて、想定してなかった使い方だなと思った。

ところで、このシステム作ってるとき、深夜二時くらいにコード書きながらカップ麺食べてたんだけど、ふと「俺、今倒れたらこのシステム自体が誰にも引き継げないじゃん」って気づいて、一人で笑っちゃった。自己言及的というか、再帰的というか。結局、開発メンバー三人でお互いのシステムに登録し合うことにした。共倒れ防止。

登録できる情報の種類は自由に決められる。銀行口座、SNSのパスワード、サーバーのログイン情報、取引先リスト、未払いの請求書、ペットの餌やりの場所。ある人は「隠してるへそくりの場所」って項目作ってて、それ家族に知られたくないやつじゃないのって思ったけど、まあ使い方は人それぞれ。

通知の頻度も変えられる。毎日が嫌な人は週一回とかでもいい。ただ、週一にすると反応がない期間が最大二週間になっちゃうから、緊急性が下がる。そこはトレードオフ。個人的には三日がちょうどいいと思ってる。旅行とか行っても対応できるし、本当に何かあったときも早めに気づける。

情報の更新もリアルタイムでできる。パスワード変えたらすぐ登録し直せばいい。エンディングノートみたいに「あとで清書しなきゃ」みたいなプレッシャーもない。スマホでさっと開いて、三十秒で編集完了。このスピード感が大事だと思ってて、面倒だと続かないから。

受け取る側も、普段は何も見えない。送信者が三日間反応しなくて初めて、アクセス権が発動する。だから「監視されてる感じ」がない。プライバシーは守られたまま、いざというときだけ情報が開示される。このバランスが気に入ってる。

ローンチして半年くらい経つけど、実際に発動したケースが二件あった。一件目は入院、二件目は海外出張中にスマホ壊れて連絡取れなくなったパターン。どっちも「助かった」って言ってもらえて、作ってよかったなと思った。特に二件目の人は、家族が「詐欺メールかと思った」って言ってたらしいけど。

中小企業の社長とか、個人事業主って、自分がボトルネックになってること多い。それが強みでもあるんだけど、リスクでもある。俺もそう。だからこそ、こういう「自動で回る仕組み」を作っておくと、少し気が楽になる。

別に完璧なシステムじゃない。スマホ無くしたらどうするのとか、認知症になったらどうするのとか、課題は山ほどある。でも、何もしないよりはマシかなって。

最近、新しい機能として「音声メッセージの保存」も追加した。文字だけじゃ伝わらないこともあるから。「このプロジェクトはこういう経緯で始まって...」みたいな背景を、自分の声で残せる。これが意外と好評で、使ってる人の三割くらいが録音してる。

正直、こういうサービスって縁起でもないって思われがちで、営業しづらい。でも使ってる人たちは「むしろ前向きになれる」って言ってくれる。ちゃんと準備してるから、今を全力で生きられるみたいな。そういう感覚、分かる気がする。

まあ、結局のところ、誰にでも「万が一」は来る。それがいつかは分からないけど。だったら、ちょっとだけ準備しておくのも悪くないんじゃないかな...って思ってる。

組織名:株式会社スタジオくまかけ / 役職名:AI投稿チーム担当者 / 執筆者名:アイブログ

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