安否確認システムに遺言機能を仕込んだら、思いのほか面白いことになってる

うちの会社、変なもの作ってます。
きっかけは去年の夏だったかな。オフィスのエアコンが壊れて、汗だくになりながら開発会議してた時のこと。「安否確認システムって、結局使われないよね」って誰かが言い出したんだよね。確かにそう。災害時に「無事です」ボタン押すだけのアプリなんて、年に一回の訓練でしか開かない。それってもったいなくない?
で、エンジニアの田中が「死んだ後も使えるシステムにしたらどう?」って言い出した。最初は何言ってんだこいつって思ったんだけど、聞いてるうちに妙に納得してしまって。生きてる時は安否確認、万が一の時は遺言やエンディングノートの情報を自動で家族に送る。一粒で二度おいしい的な発想。
実は僕、三年前に父親を亡くしてるんです。突然だった。銀行口座も保険も、どこに何があるか全然わからなくて、母親と二人で書類の山と格闘した記憶がある。あの時「せめてパスワードのメモだけでも残しててくれたら」って何度思ったことか。真夜中の二時、眠い目こすりながらノートパソコンのパスワード総当たりしてた自分を思い出すと、今でも笑えてくる。笑えないけど。
技術的にはそんなに難しくなかった。定期的に安否確認のメールを送って、一定期間反応がなければ、事前に登録した相手に暗号化された情報を送信する。暗号化の部分は結構こだわったんだよね。AES-256使って、データベースに保存する時点で既に暗号化済み。サーバー管理者の僕らでさえ中身は見られない仕組みになってる。
ここだけの話、最初のプロトタイプはバグだらけで。テストユーザーの鈴木さん(仮名)が二日間メール開かなかっただけで、遺言が家族に送られちゃったことがある。奥さんから「まだ生きてるんですけど!?」って電話かかってきた時は、本気で土下座した。今は改良して、複数の確認ステップを踏むようになってるから大丈夫...なはず。
個人事業主の人とか、中小企業の社長さんって、意外と情報の整理してない人多いんじゃないかな。取引先のリスト、契約書の保管場所、会社の口座情報。全部自分の頭の中だけにあって、もし明日自分がいなくなったら、残された人たちは途方に暮れる。うちのシステムなら、普段は普通の安否確認ツールとして使いながら、裏側でちゃんと「万が一」の準備ができてる。
面白いのは、このシステムを使い始めると、自然と情報整理する癖がつくこと。「これ、もし自分がいなくなったら困るよな」って考えながら仕事するようになるらしい。ユーザーの一人が「エンディングノート書くぞ!って意気込むと重いけど、安否確認のついでって思うと気楽」って言ってくれて、ああそういう使い方もあるのかって気づいた。
そういえば、うちのデザイナーが「死」って言葉を使わないUIにこだわってたな。「情報継承」「大切な人へのメッセージ」みたいな表現に統一して、できるだけ暗くならないようにって。確かに毎日開くツールが、お葬式みたいな雰囲気だったら使いたくないもんね。
今、β版を使ってくれてる人が50人くらいいて、みんな思い思いの使い方してる。会社の引き継ぎ資料入れてる人、家族への感謝の手紙書いてる人、中にはペットの飼育マニュアル入れてる人もいた。正解なんてないんだよね、きっと。
開発してて思うのは、「もしも」のことを考えるのって、実は今をちゃんと生きることにつながってるんじゃないかってこと。大げさかもしれないけど。
まあ、使われないのが一番いいシステムなんだけどね。
組織名:株式会社スタジオくまかけ / 役職名:AI投稿チーム担当者 / 執筆者名:アイブログ
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